コラム

China Salonの代表がどのように中国語のレベルアップをしてきたかを、スクールへお問い合わせいただいた方への具体的、ケース別アドバイスを交えながらご紹介。

中国語勉強法

■通訳になるには?3


質問者のプロフィール

愛知大学で現代中国について勉強中。その勉強の手段として中国語を学ぶ。国際交流団体のスタッフ希望のため、通訳者になるのが第一志望というわけではない。4ヶ月、中国の天津で初級中国語を学んだ。HSK三級。中国語検定は三級は持っているが、準2級は筆記試験68点、リスニング90点で不合格に。

Q

1.中国語の語学力だけの人材は必要とされますか。僕はそれではいけないと思い、同時に英語も勉強しています。

A

 中国語通訳者の場合は、語学の面からいくと、まず、中国語と日本語の語学力が十分であればまずは合格です。しかし、質問者もお気づきのとおり、日本語には外来語が多く、中国語にも最近は外来語の音訳語が増えて来てどちらの言語にも完全には翻訳できない言葉が増えています。特に最先端の分野では。そのため、英語もできたほうが望ましいと言えます。でも、プロの通訳には英語に費やすほどの時間はないと言えます。まずは母国語での常識、次に中国語での常識、これだけでも一生かかってもなかなかマスターできません。
 例えば、日本の脳死判定。その手順について日本語で説明できますか? 臨床判定と法的判定の違い、説明できますか? こういう内容を理解し、日本語で説明できなければ当然中国語に訳すことはできません。このように一般常識を勉強して、最新の日本語、中国語を追いかけているとほかのことまで手を出す時間がないのです。少なくとも私は。
 通訳者にとって語学力も大切ですが、それ以上に一般常識が必要です。これがなければ通訳はできません。香港でテレビニュースの通訳・翻訳をやったときにそれを痛感しました。特に日本人通訳は日本語のレベルで通訳の精度を判断されるので(お客さんは日本人、日本語しか判断基準がないのです)日本語でなんと言うか、知らないと話になりません。でも、英語は私もぜひできるようになりたい。日常会話程度でいいので。
 ただ、質問者が中国専門の交流団体のスタッフを希望するなら、中国語が話せなかったらまず採用は無理です。彼等は中国の大学を回って、協会派遣の留学生の様子などを視察したりもします。中国の大学の先生とも中国語で話します。ということは、中国に来て、中国語が話せなかったらそれこそ「お話にならない」。通訳、とまでいかなくても、思っていることを話せるようにはしたいものですね。
 一方、中国に限らずいろいろな国との交流を図る団体希望なら、どちらかと言うと、英語の需要が高いかもしれません。

Q

2.中国語通訳者は、どちらかというと中国人通訳者が多いように思われます。これは、日本人の通訳のほうが人件費がかかるためでしょうか。

A

 中国人の方がレベルが高いからです。私はそう思っています。それと、日本人が外国人にコンプレックスを持ち、なんでも外国の方がいいと考えているから。中国人通訳と日本人通訳がいると、レベルが同じでも中国人の方がネイティブだからいい、と思ってしまうのです。
 これは中国国内で通訳をする場合と日本国内でする場合をわけた方がいいですね。
 日本国内での通訳では、今は日本人通訳も増え、日本人通訳の優秀さが見直されつつあります。今までは、日本で、特に日本の企業で通訳をする場合、日本に来て5年も6年にもなる中国人なら、日本語もそこそこでき、中国事情はもちろんばっちり、中国にコネもありました。当時は日本企業は独自のコネがなかったので中国人留学生のコネがほしかったのではないでしょうか。当時、日本人で中国語を勉強した人はせいぜい大学の4年間プラス留学一年程度。これでは単純比較しても、中国人には勝てません。それに、日本人は文法などは得意でも、会話ができない。これでは仕事になりません。大学での授業の方法が悪いのですが、それに気付かない学生も悪いのです。
 それが最近は日本人でも中国に4年、5年と留学し会話もばっちりできる人が出てきました。と同時に企業も、中国とのコネはそこそこできて来ました。そうなると、中国人よりも日本人の方が使いやすいことがわかってきたのです。中国人は少しでも待遇がいい会社があるとさっと転職します。つまり、日本の企業が育ててもよそに取られてしまう。それに、中国人は完全に中立の立場で通訳をすることが少ない。中国側からリベートをもらえば、祖国の中国に有利に通訳します(中国では通訳にリベートを渡して、自分に有利に通訳してもらうのは当り前のこと)。そうなると企業には不利になるので、同じレベルの日本人がいればだんだん日本人を使うようになってきました。日本人の中国語レベルも向上してきたのですね。今は、日本で行われる国際会議では、日中の通訳は日本人が行っています。普通は日本側には日本人通訳が、中国側には中国人通訳がつきます。

Q

3.テレビなどのメディアで見る中国語通訳者はほとんど中国人側のような印象が強くあります。

A

 理由については上述の通りです。中国国内では中国人通訳を使うのが常識だし、日本国内では日本人通訳を使うのが常道です。日本国内での会議などはまず、テレビに出ませんからそう思うのも無理はありませんね。

Q

4.中国語能力試験も様々なものがあるのですが、やはりHSKが一番効果的なんでしょうか。何も根拠はないんですが、僕はHSKのシステムや問題形式になじめなません。したがって今後もHSKを受験をするつもりはないのですが、どうでしょうか。

A

 中国語を売りにするなら、何か検定試験でアピールできる級を持っている必要があります。ビジネスシーンでアピールするなら、中国語検定なら準2級以上、出来れば2級、HSKなら最低6級、出来れば8級ですね。どの試験でもいいのですが、出題傾向が違うので、それぞれ意味する実力の範囲が異なってくるのです。
 中国語検定は、どちらかと言うと、大学教授や中国語講師を目指すような文法、リーディング重視で、非日常的な内容が多いですね。日常会話では使わないような語彙や細かい文法を突いてきます。だから、中国語検定で上の級がとれたからと言って、しゃべれるかというと、そうでもありません。
 一方、HSKはどちらかと言うと口語に重点を置き、話すことを重視している、つまり実用的な中国語を中心にしているのでめちゃくちゃ難しい語彙は出て来ません。その一方で話し言葉はかなりの比率で出て来ます。HSKでいい級がとれる人は、しゃべれるということです。
 で、中国語検定2級レベルがHSKだと8〜9級くらいなのですが、中国語検定2級を持っている人と、HSK8級を持っている人がいたら私が企業の面接官なら、HSK8級を持っている人を採用します。中国語の運用能力は、その人の方が高いと言えるから。特に、民間の会社(交流団体を含む)では「話せる」ことがビジネスの第一条件になります。電話もできないでは仕事になりませんから。
 もちろん、級を持っていなくてもできればいいのですが、会社に認めてもらおうと思ったら、目に見える級を持っている方が有利です。そして、特に「話せる」中国語をアピールできる検定試験がいいのでそうなるとHSKの方が、信頼性が高いと言えます。
 ただ、HSKは知名度がまだまだ低く、日本では1級が上ですが、中国では数が大きい方が上だというのを知らないと会社の人も判断出来ないので、自分で会社の面接官に説明すべきです。
 私は大学在学中に中国語検定準2級を取得し、卒業した年に2級を取得、今は1級も持っています。HSKは私が大学にいたころはまだ試験そのものができていなかったのですが、天津に留学する前は5級、留学中にまず、初中級試験で8級、その後、上級試験で10級を取得しました。あとは通訳ガイドの中国語の試験を取れば、中国語業界の人なら誰でも私の実力がかなり高いことがわかります。どの検定試験にするかは、自分で決めることですが企業の立場で考えるといいですね。
 HSKがなじめないとのこと、それはリスニングとスピーキングが出来ないからです。これを日本国内で訓練するのは、テクニックと根気がいります。もし1年以上留学できれば(真面目に勉強し、回りの中国人とおしゃべりすれば)克服できるでしょう。就職まで、まだ時間はあると思います。どの試験を受けるか、ゆっくり考えてみてください。

Q

5.大学の先生から、中国語で職業は器が少ないので、まず将来の夢をそれ一本に絞らないほうがよいと聞きました。

A

 それは確かにそうです。よっぽどできる人でないかぎり、中国語で仕事はまず、無理ですし日本ではそれほどの需要もないので。中国語はプラスアルファと考えるのは、正解です。でも、だからといって疎かにしてしまっては、「プラス」にはなりませんよね。

Q

6.中国に事務所がある企業の人から『日本からの派遣職員はほとんど中国語の語学力は不要』と言われました

A

 会社によって違うと思います。GREEN GRASS China Salonに通っている会社員の方は自分で直接中国人の指導をしないといけないし、一人で中国の至るところへ出張しないといけないから日常会話くらいは日本でマスターして行きたいと言って頑張っています。もし、入社の段階でこれをマスターしていたら、中国で仕事するのもそれほど遠い夢ではありません。

Q

7.草野さんは早稲田大学の文学部卒業ですが、中国語は大学で学習されたのですか。留学はどこに、どのくらいいかれたのですか

A

 中国語は大学の第二外国語で4年間勉強しました。と言っても、3、4年生は週一コマだったのでほとんど勉強していないようなものです。この他、ラジオでの独学と、4か月くらい通訳ガイド試験用の勉強を専門で行う中国語の専門学校に行っていました。
 留学は、大学2年生のときに北京語言学院へ5週間と、就職してから1年間、天津の天津外語学院に国費で行きました。
 あと、香港へ1年、通訳の仕事で行っていました。

Q

8.中国にもし初めて長期留学するとしたら、大都市か田舎どちらがいいですか。人から聞いたことによると、雲南省は麻薬の取引で、危険な町と聞きます。やはり、外国人(特に日本人)の多い大都市がいいのでしょうか。大都市圏のほうが安全は保障されていると思います。しかし、勉強するには田舎の方が適している感じがするんですが・・・。

A

 まず中国雲南省の昆明は確かに危険です。自分が注意していても外国人だと見られれば、スリや強盗に狙われます。大都市の学校の中でも泥棒の被害がある国ですから。
 それ以外の条件としては、中国は都市以外では日常生活が非常に大変です。モノが手に入らない、外貨両替のできる銀行があまりない、など。
 そんなことは大丈夫、と思うなら田舎でもいいでしょう。
 あとは学習環境が整っているかどうかです。
 できれば日本人が少ない学校がいいのですが、そういうところは往々にして施設やカリキュラムに問題があります。特に上級のクラスがない場合もありますから下調べが必要です。上級クラスがあれば講師陣もかなりのレベルと言えます。
 最後は方言の問題。きれいな普通語が十分に身についてから地方へ行くなら方言も勉強出来て一石二鳥なのですが、あやふやなまま行くと「なまって」しまいます。そうすると直すのは至難の業ですから、今後標準的な中国語が必要な仕事につきたいなら、そして中国のいろいろな地域の人と交流する可能性があるなら、標準的な発音の地域にした方がいいでしょう。中国人でなまっているならまだいいのですが、日本人でなまっていたら、ほとんど通じないのが現状です。


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