コラム

1994年8月末から1995年7月半ばまで中国・天津に留学した時、当時入会していた『おちゃめくらぶ』(その後『陽だまり』という誌名に変更)という女性サークルの会報や、日中二ヵ国語新聞『東海国際新聞』などに投稿した体験記。中国留学に興味ない方でも楽しんでいただけると思います。1と2は原稿が行方不明。発見したらアップします。今後、写真もアップする予定(いつになるかはわかりませんが・・・)

中国語留学記

■みどりちゃんの西遊記5 (『おちゃめクラブ』95.2月号)

 皆さんこんにちは。おそばせながら、あけましておめでとうございます。お正月はいかがでしたか? これがみなさんのお手元に届く頃にはお正月気分なんてとっくに抜けていることと思いますが、今回は中国のお正月をご紹介します。
 中国のお正月は旧暦で祝います。今年は西暦の1月31日が旧暦の1月1日ですからまだ二週間ほどあります。では西暦の1月1日は何もしないかというとそうでもなく、元旦節といって12月31日か年末の一日を選んで学生などは学校の教室を借りきって一晩中カラオケをしたり踊ったりします。というのは中国では大学は一般に全寮制で、元旦節は休みも一日しかないので帰省できず学校で過ごすからです。私のいる学校でも中国人の学生はクラスごとにディスコパーティーやカラオケパーティーを開いていました。日本でいう忘年会の様な感じです。日頃娯楽の少ない中国ですから、こういう機会には中国人は大騒ぎをします。留学生と外国人教師は、学校の外事処主催の元旦会にでました。12月30日の夕方からの食事会でした。

 さて、一方で日本人は西暦の1月1日を重視します。そこで一部の仲の良い日本人で新年会をすることにしました。私は中華料理に飽き飽きしていたので、お節料理がわりにロールチキン、ロールキャベツ、ポテトポタージュスープ、コーンクリームスープを作ることにしました。和食は材料が足りないし、普通のお節料理は恥ずかしながら作り方がわからないので洋食にしたのです。ただその準備はお節料理なみに時間がかかりました。台所がない上にホットプレートしか調理器具がなく、かなりたくさんの量を作ったからです。29日にロールチキン、30日にスープ二種類、31日にロールキャベツというように3日に分けて作り、大きな器ごと冷蔵庫に入れさせてもらいました。しかも中国は1月1日しか休みがないので、平日午前中の授業を終え、午後からの補講を終えてから買い物をし下準備にかかるので、味付けをするのは毎日夜の11時すぎ。こちらに来ている日本人はほとんどが日本でも学生で、一人暮らしや料理の経験のある子が少なく、料理はほとんど私一人で作ることになりました。多分、皆さんもお料理すると思いますので、どれだけ疲れるかは想像できるかと思います。材料も道具も、足りない、ロールキャベツを作った時には途中でキャベツが足りなくなり、夕方近くの自由市場へ買いに行ったり(実家でお節料理を作った時もいつも途中で材料が足りなくなって買い足しに行っていたなあ)もしました。幸い時間に余裕のある男の子が毎日のように手伝ってくれたので体力的にも時間的にも助かりました。

 さて準備が出来たら新年会です。94年から95年に年が新たまる瞬間は、ある日本人の部屋でカウントダウンし、ビールで乾杯しました。その後、夜中の2時頃から天津市内のお寺に14、5人でタクシーで初詣でに行ったのですが、これは失敗。西暦を重視していない中国ではこの時間にお寺があいているはずがなかったのです。門の前で写真を撮りそのまま帰ってきて一旦寝ました。
 そして元旦のお昼頃から食事をしながらの新年会が始まりました。私の用意した料理のほか、ちらし寿司、煮物、パン、おもちなどを持ち寄り、おしゃべりしながら食事です。ビールのほか、伊勢丹で買った日本酒や中国産のワインもあります。写真を撮り、新年の始まりを祝して乾杯!  と同時に、料理はどんどん減っていきました。どうも中華料理に飽き飽きしていたのは私だけではなかったようです。特にロールチキンやロールキャベツはこちらにはありませんし、皆、中国でこんなものを食べれるとは思っていなかったらしく、本当にきれいに片付いてしまいました。これだけ喜んでもらえると苦労して作った甲斐があります。天津外国語学院日本人留学生の料理長(いつの間にかこんな肩書きをいただきました)としては最高に嬉しいことですね。この後はギターを持ち出して歌を歌ったり、ゲームをしたり、マージャンをしたりして夜まで騒いでいました。こんな感じで日本人のお正月は過ぎていきました。

 ところで中国人はどうやってお正月を過ごすのでしょうか。中国では旧正月のことを春節と言います。聞くところによると日本以上に賑やかなようです。大掃除、お節料理、おもち、初詣、お年始周りなどは日本と同じですが、その前に民族大移動があります。中国でも故郷を離れて仕事をしている人は多く、春節には国に帰ります。この移動は春節の1〜2週間前から始まり、春節後1カ月位続きます。春節は会社は1週間くらい、学校は冬休みとして1カ月位の休みがあるのです。また、この時期に、経済の発展している沿海部とは違いまだまだ貧しい内陸部の人々が職を求めて都市に流入してきます。その数は何千万、何億という数に上ります。その影響で中国の鉄道は大混雑、切符がなかなか手に入らないという状況です。現在中国では一般の人は車は持っていませんから、列車しか交通手段がないのです。春節前後の混乱はかなりのものがあるのですが、それでも故郷には帰らなければなりません。中国人は血縁を重視しており、お正月には家族全員揃って食事をするのが習わしだからです。お節料理のほか、おもち、そしてギョーザを食べます。ギョーザは中国語で「ジャオズ」といいますが、この発音が子(ネ)の刻(夜中の12時)に交わるという「交子」と同じで、古い年と新しい年が交代する時間を記念し、新しい年の始まりを祝うという意味があるそうです。  こちらの冬休みは1月20日から2月20日まで。私は明日1月14日から中国の一番南にある海南島へ旅行に出かけます。ホテルも飛行機も予約なしのまま、さてどんな旅になるでしょうか。そして、海南島から帰ってからは天津または北京で春節を過ごし、そのあとまた、上海、南京、杭州、蘇州、無錫を廻る予定です。皆さん、私の無事帰還を願って下さい。南の方は治安が悪いようですから。  では、次回までさようなら。


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