コラム

1994年8月末から1995年7月半ばまで中国・天津に留学した時、当時入会していた『おちゃめくらぶ』(その後『陽だまり』という誌名に変更)という女性サークルの会報や、日中二ヵ国語新聞『東海国際新聞』などに投稿した体験記。中国留学に興味ない方でも楽しんでいただけると思います。1と2は原稿が行方不明。発見したらアップします。今後、写真もアップする予定(いつになるかはわかりませんが・・・)

中国語留学記

■みどりちゃんの西遊記4 (『おちゃめクラブ』94.12月号)

 皆さんこんにちは。なんと天津では11月13日に初雪が降りました。さらさらの粉雪で、氷が混じっているらしく、透明の粉がきらきら光っていました。私は愛知県の、しかも暖かい知多半島の出身なので雪はあまり経験がありません。一日に何回も窓からどのくらい積もったか見ていました。もちろん外に出て雪遊びもしました。皆さんの住んでいるところはどうでしょうか。
 さて、今回は中国での生活の一端をご紹介しましょう。


【故障】
中国の物は本当によく壊れます。まず無事なものを挙げると、スーツ(日中合弁、390元、1元=約12.5円、天津の1カ月の平均給料は300〜400元)、ショール(日本製、620元)、靴(中国製のELLE、240元)、ショルダーバッグ(?多分外国、248元)、ホットプレート(広州又は上海製、198元)、ダウンジャケット(広州製、460元)等で、さすがに、高価なものや広州、上海製のものは品質もよく、特に衣料品は縫製もしっかりしていて壊れません。一方修理の必要なものは ・目覚まし時計(中国製、30元) 使い初めて約一ヵ月で、秒針が不規則に動くようになり、そのうちに動かなくなりました。この時計は幸い保証書付だったので買った店に持参し、十日間かかってやっと直りました。

 ・Gパン(中国製、58元) 買った時からポケットに穴が空いていたほか、二カ月くらい経った時にファスナーが壊れてしまいました。普通ファスナーの下の端は金属の金具か何かで止めてあると思いますが、このGパンは留め金がなく、つまみが外れてしまったのです。自分で縫って直しました。

 ・自転車(中国製、中古、230元) 新品のものが最低450元くらいで買えることを考えると中古で230元はちょっと高いのですが、タイヤのチューブを取り替える程の修理を買って二カ月くらいの時にしました。ブレーキも左右とも修理が必要でした。パンクはしょっちゅう。今はペダルを漕ぐとキーキーと音がします。

 この他、部屋の洗面台の排水管が水漏れしていたので学校専属の大工さんに修理してもらったのですが、排水管をプラスチックの管に替えただけで、「直らない」と言われてしまいました。後でよく見たら、陶器の部分と管の継ぎ目から漏れていたので、ここにビニール紐をくくりつけました。これで水漏れはなくなりましたが、修理しても余計に壊してしまう可能性があるという現場を目のあたりにし、それからは簡単な修理は自分ですることにしました。


【湯の音】
 私は中国に来てある特技を身につけました。寮の部屋にシャワーがあるのですが、お湯は夜の8時から10時しか出ないうえにしばらく出しっぱなしにしておかないと熱くなりません。そこでいつも8時になるとシャワーの蛇口をひねって熱くなるのを待ったのですが、毎日それを繰り返しているうちにいちいち確かめに行かなくても熱くなったかどうかわかるようになったのです。
 水のうちは堅い音がします。でもお湯になると湯気が出るからか、柔らかい音になり、少し音が小さくなるのです。これを確認してシャワーを見に行くといつも適温になっていました。水の音とお湯の音の区別ができるようになったのです。不便な環境にいると神経が研ぎ澄まされ、様々なことができるようになるようですね。
 なんてのんきなことを言っていたら、留学しはじめて二カ月ほどの時、毎日または隔日でウェイトトレーニングをさせられるはめになってしまいまいた。バケツに7〜8kgくらいと、ポットに4〜5杯の熱いお湯を一階のお湯汲み場から四階の自分の部屋まで運ぶのです。何のためかって、シャワーを浴びるためなのです。四階のシャワーのお湯が出なくなってしまいました。
 原因は一ヵ月たってやっと発見されました。各階へお湯を送る配水管が腐って大きな穴があいており、そこからお湯が漏れていたそうなのです。従って水圧が下がり、一、二階はよくても三、四階はお湯が出ない、ということでした。何という下らない原因…。
 原因が解明されるまで、私は何回も留学生事務所に文句を言いに行き、会う人ごとに文句を言い、学校のOBから、改善されなければ外事処の処長か、学校長に言いに行けとのアドバイスまでもらいました。結果としては処長や学校長のところへ行く前に解決されたのですが、学校側のあまりの腰の重さに皆が腹をたてていました。
 しかし学校側の対処がここまで遅れたのは学生側にも責任があります。他の学生は文句を言うだけで、動こうとしませんでした。私一人が抗議しても個人のわがままととられるのが関の山ですが、みんなが意見を出し、少なくとも日本人だけでも意思の統一を図って行動を起こしていたらもっと早く解決できたかもしれません。全体にかかわる問題が起こったときは他人任せにするのではなく、個々人が自覚し、自主的に動くべきではないでしょうか。要求は自主的に出せば受け入れてもらえるものです。特に中国では。
 今の日本とは違い、不便なことの多い中国。でも、それを克服する中で得られるものも多いのです。お湯の温度を聞き分ける特技を見につけたり、自主性の大切さを実感したり…。皆さんも一度体験してみてはいかがでしょうか。日本での恵まれた生活環境に感謝するようになること、受け合いです。


【自由市場】
 学校の近くにはいくつかの自由市場があります。地面に直接布をひいて野菜を並べるだけの人もいれば、屋台で売っている人もいます。野菜、肉、果物、卵、魚介類、調味料、服、生活雑貨など何でもあります。ただし、毎日同じものを同じ場所で売るとは限りません。大抵午後から店は出ているのですが、2時ごろまでお昼寝タイムなので野菜にも布が掛けてあり、品数も少ないようです。逆に、5 時を過ぎると勤め帰りの人で混むので、時間があれば品数も増えてくる3時頃から買い物に行きます。 ここではほとんどすべてのものが重さの計り売りです。野菜などは、幾つで何キロか知らないととんでもない量を買うはめになったり、逆に少なすぎて売ってくれないということもあります。またビニール袋をくれるところはまだまだ少なく、みな買い物篭を下げて来ます。私は大抵自転車で行くので、自転車に篭をつけました。ただ、宿舎に戻ってから4階の自分の部屋に持っていくのに何か袋がいるので、必ず何か一つは袋を持っていきます。自由市場でくれるビニール袋はとても薄く、すぐ破れてしまいます。だから、日本から持ってきたスーパーの袋は結構貴重品です。
 野菜はとても安く、ほうれんそうなどは500gで6毛(約7円)くらい、肉は牛肉で500g7〜9元(80〜110円)です。どうして500gあたりの値段なのかというと、中国では「斤」という単位が今も使われており、一斤が500g、一公斤が1kgで「お肉、2斤ちょうだい」などと言って買うのです。斤より小さい単位では「両」(50g)というのがあります。お菓子なども計り売りなのですが500gも買うと多すぎるので「一両」買うのです。日本とは大違いですね。


【アームカバー】
 中国の町はどこも、どうしてこんなに埃っぽいんだろう、と首をかしげたくなるほど埃っぽいのです。窓を閉めてあっても一日たつと机の上は細かい砂でいっぱい。じゃりじゃりするくらいです。おかげで机に向かって何かをすると袖がすぐに真っ黒になります。そこでこちらに来てから布とゴム、糸を買ってきてアームカバーを作りました。事務の人がしているような。授業の時もこれをつけて行きます。ちょっと恥ずかしい気もしますが、おかげでそでの汚れが減り、洗濯の回数もずいぶん減りました。
 ごく少しですが、こちらの様子がわかってもらえたでしょうか。


【中国で手に入る物】
 電化製品では、ラジカセ、ステレオ、テレビ、ビデオ、炊飯器、洗濯機、冷蔵庫、掃除機、除湿機、加湿機などたいてい何でもデパートにあります。ワープロの感熱紙もありました。 文房具ではミスノン、テープ状のミスノン、蛍光ペンもあります。
 食品では、味噌、醤油、みりん、日本酒、ソース、マヨネーズ、ツナ缶詰、カレー、喉飴、インスタントコーヒー、ひいた豆のコーヒーなどもありました。日本の食品がこんなにあるとは思いませんでした。ただし、食品は日本より少し高めです。
 寮内には教室、留学生事務所、購買、国際電話ボックス、市内電話、湯沸かし室、洗濯室があります。
 電話が掛かって来ると、受け付けのおじさんが放送で名前を読んでくれます。ある時は四階の電話につないでくれ、ある時は一階の電話まで走って降りていきます。こちらから掛ける時は、市外と国際電話は電話ボックスでカードで掛け、市内とコレクトコールは受け付けの電話をかります。 洗濯室には、洗濯機は以前は四台あったのですが、壊れてしまい、今は二台しかありません。そのうちに修理してくれるそうですが、いつになるかわかりません。
 購買では、ジュース、牛乳、ミネラルウォーター、パン、ラーメン、トイレットペーパー、便箋、封筒、切手、絵葉書、ビスケット程度が買えます。


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