コラム

1994年8月末から1995年7月半ばまで中国・天津に留学した時、当時入会していた『おちゃめくらぶ』(その後『陽だまり』という誌名に変更)という女性サークルの会報や、日中二ヵ国語新聞『東海国際新聞』などに投稿した体験記。中国留学に興味ない方でも楽しんでいただけると思います。1と2は原稿が行方不明。発見したらアップします。今後、写真もアップする予定(いつになるかはわかりませんが・・・)

中国語留学記

■みどりちゃんの西遊記12 (番外編)

【検査と模範学生】
 94年9月から95年7月までの中国留学で面白いことがたくさんありました。その一端をご紹介しましょう。

 11月上旬、留学生宿舎の各部屋内に電熱器(料理用、電熱線がむき出しになっている)と教室の机、椅子等があるかどうかの検査がありました。電熱器は火災防止の面から、机、椅子等は公共物であるという理由から、部屋に持ち込まれていたものはすべて撤去、没収されたのです。私のいた寮には炊事施設がなく、留学生の中には自分で安い調理機具を買い、部屋で食事を作る人もいました。物を収納するスペースが少ない寮の部屋には教室の机はもってこいの台です。どうせ机はあっても授業に出る人はごく少数なので「使わないなら」とかなりの学生が部屋に持ち込んでいました。

 まず一度目は公安の人と留学生事務所の先生が各部屋を周り、これらのものがあれば自主的に処理するよう言いました。これだけでもなんだか大仰ですよね。公安というのは日本の警察にあたる組織です。警察官が防災のために学校の中をチェックするなんて日本では考えられません。その約一週間後、留学生寮で午前中公安の人を見かけました。事前に再検査があることは予告されていたのですが、ピーンときた私は日本人に「今日、多分再検査がある」と触れて回りました。そしたら案の定、この日の午後、実際に処理されたかどうかのチェックがあったのです。私の部屋の教室の机と電熱器はこの2〜3日前に片付けてあったので特に何も問題はありませんでした。ただ、この時に掲示板に出た通知には公共物品の持ち込み、電熱器の使用は留学生規則に違反するので今後発見された場合は厳重に処罰すると書かれていました。これで終わりかと思いきや、三回目のチェックがありました。今回は留学生事務所の先生だけでなく、外事処(外国人の管理をするセクション)の先生や授業を担当している先生までが総出で各部屋のチェックに当たっていました。このときはチェックはかなり厳しく、中には電熱器を本当に没収された学生もいました。

 この学校では、この検査の前にシャワーが2カ月も故障したままということがありました。留学生がシャワーが出ないから直してくれと言ってもなかなか腰を上げず、原因究明までに1ヵ月以上かかったのです。この故障の理由というのも笑ってしまいます。お湯の配水管に大きな穴があき、そこから湯が漏れていたのです。このように普段、宿舎の備品が壊れてもなかなか修理してくれないのに、部屋の検査は三回もするのですよ。規則を守らないのはもちろん悪いことですが、それにしてもすっきりしませんよね。

 先の検査の話には、余談があります。多分三回目の検査の時だと思いますが、外事処の先生と留学生事務所の先生が私の部屋に検査に来ました。その時、私が部屋にいて留学生事務所の先生の「教室の机は片付けたか、電熱器はあるか」との質問に「机は片付けた、電熱器もない」と答えると、先生はよく見もせずに出て行こうとしたのです。それを見た外事処の先生は「もっとちゃんとみなきゃ」と部屋に入って来たのですが、留学生事務所の先生の「ツァオイエ(私の中国語の名前)は規律正しい学生だから大丈夫」との言葉にやはりそのまま出ていってしまいました。それどころか「どうしてこの部屋はこんなにきれいなんだ、一人で住んでいるのか」と感心していました。他の部屋は女の子は女の子なりに、男の子は男の子なりに思い思いに部屋を飾り、いろいろなものを沢山買い込んでいますが、私の部屋には飾りらしい飾りもなく、特に私はベットカバーも買わず、学校が貸してくれる白い布団カバーがそのままむき出しになっているので、とてもすっきりしているのです。普段外事処の先生は直接学生と触れることは少ないのですが、留学生事務所の先生はよく顔を合わせるので私のことはよく知っています。そして都合のいいことに学生としては当り前のことなのに授業にきちんと出席する私を「好学生」(良い学生)と評価してくれているので何をするにも結構協力的で親切にしてくれます。これも日頃の行いが良いせいでしょうか。

 この検査の後、実は私はもう一度教室の机を部屋に持ち込みました。ある時、何かの拍子に留学生事務所の先生が部屋に来たのですが、あれだけ厳しくチェックしていたにもかかわらず机に気づかないまま出ていきました。なぜなら、私が机に新聞紙を掛けて段ボール箱に新聞紙が貼り付けてあるかのように見せかけていたからです。実はこの机、私のルームメートもそこに教室の机があるとは気付いていませんでした。こんな姑息な方法を使う私はそれでも「模範学生」!?


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