コラム

1994年8月末から1995年7月半ばまで中国・天津に留学した時、当時入会していた『おちゃめくらぶ』(その後『陽だまり』という誌名に変更)という女性サークルの会報や、日中二ヵ国語新聞『東海国際新聞』などに投稿した体験記。中国留学に興味ない方でも楽しんでいただけると思います。1と2は原稿が行方不明。発見したらアップします。今後、写真もアップする予定(いつになるかはわかりませんが・・・)

中国語留学記

■みどりちゃんの西遊記10 (『おちゃめクラブ』95.12月号)

 皆さん、こんにちは。10月の北京・天津旅行から無事に帰国しました。9日間の短い旅行で毎日、食べて寝るだけだったような気もしないではないですが、久しぶりののんびりとした日々でした。日程前半の天津では私の留学先だった天津外国語学院を訪ね、私の中国語の家庭教師だった友達や以前からの留学仲間、その他多くの知り合いに会い、食事を交えながら話に花を咲かせてきました。日程後半の北京では以前の会社の取引先の会社を訪問するのが最大の行事で、後は北京ダックを食べに行ったくらいでした。あ、でも、自分の中国語教室用に中国語のテキストを15冊とカセットテープ4本など購入し、航空便で送ろうと思った時お金が足りず、半分しか送れなかったというハプニングもありました。言葉はまだ忘れておらず、留学中とほぼ同じレベルを保てているようで安心しました。

 北京は世界女性会議が開かれたためか、公共交通機関のアナウンスが中国語と英語の二本立てになっていました。空港行シャトルバスの停車場の案内標識も以前はなかったのにちゃんと立てられていました。天津にはダイエーのスーパーが出来、お肉や野菜が発泡スチロールのトレーに乗せられ、ラップに包まれてバーコードがつけられていました。日本と同じです。自由市場で土のついた野菜を買うのに慣れていた私には、そこまでやる必要があるのかなという疑問と、日本では資源の無駄遣いをなくそうと簡易包装の路線に向かっているのに中国では逆を行っている、もしこのまま過剰包装が中国で根付いてしまったらすごい環境汚染の元凶になるのではという危惧がわいてきました。ともあれ中国は短い間にやっぱり変わったなと思いました。

 今回の旅行は自宅近くに名古屋空港があるのに安いチケットのある関西国際空港からの旅行で、自宅を出て北京のホテルに着くまで11時間もかかりました。帰りにひやっとしたのは、北京の空港を出るときにパスポートに出国のスタンプを押してもらえず、出国カードも受け取ってくれなかったこと。このままで、日本で入国のスタンプ押してもらえるんだろうかとひやひやしていたら、何のことはない、上海でトランジットがあり、上海の空港で出国手続きをするだけのことだったのです。これまで国際線の経由便に乗ったことがなかったのですごくドキドキしました。

 さて、話は変わり、最近私はある公共機関の中国語通訳に行きました。通訳の内容はさておき、自由時間にこういう質問がでたそうです。「中国に大根はあるの?」「人参は?」「パンは?」 4人の研修生の中に一人日本語のできる方がいてその方がこの質問を受けたそうで、これを他の3人に通訳するのにとても困ったそうです。それでも訳さないわけにはいかず通訳したら、他の3人は唖然としていたそうです。いくら経済格差があるとは言え、そのくらいのものはあるのです。質問者は何の気なしにこれらの質問をしたのだと思いますが、11年来中国研修生を受け入れているのですから、言葉を変えて「中国には大根を使った料理はどんなものがあるの」の様に婉曲的に言うとか、このくらいの基本的な知識は研修を通じて蓄積し、頭に入れておいてほしいというのが研修生の意見でした。こういうことって国際交流には当然必要な配慮だと思うのですが、こういった発言が自分と同じ日本人からあったというのを恥ずかしく思いました。日本人はどうも中国をあくまで後進国だと決めつけたがるようです。確かに密入国など不法手段を使ってでも日本に来て稼ごうとする人も一部にはいますが、中国の経済成長は新聞やテレビでも報道されるように目覚ましいものがあります。沿海の大都市では裕福な人々も増え、外国に出稼ぎに出ようなどと思わない人も多くいるのです。このような変化に一般の人(今回は少なくともお役所の職員)が目を向けず、一昔前の中国像に囚われているのは両国の正常な交流を妨げるのではないでしょうか。人には優越感を持ちたいという欲求があり、これが中国を後進国に位置づけ、相対的に日本を先進国に仕立て上げようという意識を持たせているのもわかりますが、日本人も中国人も同じアジア人であり、同じ地球上にいる地球人です。どちらが進んでいてどちらが遅れているかなど、交流には関係ないのではないでしょうか。相手をもっと尊重し、相互の違いを認識したうえで両方に共通するものにも目を向け、平等な立場で接して欲しいものです。こんなところから日本人の差別意識の強さを思い知らされました。こんな意識があるから、現在の日本国内での男女差別も解消されないのでしょうね。

 なんだか固い話題になってしまいましたね。ではここで少し柔らかい話題にしましょう。以前、中国茶の飲み方を書きましたが、その中で大きなマグカップを使って飲むとご紹介したのを覚えていらっしゃいますか。ヤムチャのウーロン茶は小さな小さなおちょこのようなカップを使うのですが、ジャスミン茶や龍井茶の時は本当に大きな蓋付のカップを使うのです。どうしてこんなに大きなものを使うのか、日本に帰って中国茶を飲んで見てわかりました。普通のコーヒーカップでも湯のみでも、お茶っ葉を直接入れるとたとえ全部沈んでも上澄みのお茶の液が飲みにくいのです。少し飲むとすぐにお茶っ葉が浮いてきてしまう。だから大きなカップが必要だったのです。今までちょっとだけ疑問に思っていたことが解けてなんだか嬉しい私。こんな発見をすると異文化に接する楽しみが増えます。

 この会報が皆さんのお手元に届く頃には街はクリスマス一色になっていることでしょう。中国は以前は外国の文化や習慣はなるべく入れないようにしていたのでクリスマスもお祝いしませんでしたが、今はホテルなどではツリーを飾り特別なディナーを用意しているところも多くあります。去年のクリスマスに私が近くの洋食レストランへ行ったら、中国語を話すサンタクロースがくじを配りにきました。今後、こういった外国の習慣や祝日にちなんだ楽しいイベントが中国にもどんどん増えることでしょう。今度行くときにはまた雰囲気が違っていることでしょうね。

 さて、最後になりましたが西遊記は次号で最終回です。何かご質問、ご意見などおありでしたらどしどしお送り下さい。お待ちしております。それでは、再見!


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